糸目


「糸目」とは凧に付けてある糸のことです。江戸角凧の場合、少なくても14本付けます。
長い糸目は風を受けてたるみ、それがしっぽと同じ役をして写真のように尾なしで揚がります。
この糸目合わせがなかなか難しいのですが、そろった長い糸目は青空に白く美しいカーブを描き見事なものです。


 長い糸目



    糸目を合わせているところです。
    糸目は河川敷や海など、ストレートな風が吹いている場所で、
    風のあまり強くない日に このように、揚げながら合わせます。

        この凧の大きさ
        4尺(1.2 m) x 2尺4寸(74 cm)
        糸目の長さ 25 m 14本
   



    

    この写真は斜め前方向から見ているので、糸目は短く見えますが
    風を受けた糸目のたるみが良く分かります。
    ちなみにこの凧の糸目は、まだ完全に そろっていません。

          この凧の大きさ
          15尺(5 m) x 10尺(3 m)
          糸目の長さ 100 m 37本

  



    

     般若                土岐鴾幹作

          この凧の大きさ
          5尺(1.5m) x 3尺(90cm)
          糸目の長さ 36m 17本



shikaku 

うなり


長い「うなり」を付けて揚げるのは江戸角凧の特徴です。
長さはその凧の横幅の2倍位。ちょうど弓矢の弓のようなものに籐をテープ状に裂いて張り、
凧の頭に乗せて揚げます。籐は風を受けて震え、ブーンと唸ります。
昔は籐の変わりに鯨の髭を裂いたものや動物の皮なども使われたようです。
子どもの小さい凧には平ゴムなども使われました。
千葉の袖凧などはうなりの事を今でも「くじら」と呼びます。

「江戸凧はどのくらい高く揚がるんですか」と言う質問を良く受けます。
風が良ければいくらでも揚がりますが、江戸角凧は凧が点になるほど高くは揚げません。
それはこのうなりの音を楽しむ為です。
風によって、弓の強さによって、籐の巾、厚みによってうなりの音は変わります。
江戸角凧は揚げるだけではなく、描かれている絵を鑑賞し、
その美しくそろった長い糸目を眺め、
うなりの音色を楽しむという優雅なあそびなのです。

昔まだ車もあまり走っていない静かだった頃、うなりの音はかなり遠くまで聞こえたようで、
学校でうなりの音が聞こえると、誰かが凧揚げしていると、急いで家へ飛んで帰り,
うなりの音をたよりに凧を見に行ったという話しを聞いたことがあります。

うなりを付けて揚げる凧は日本の各地で見られます。
名古屋の蝉(せみ)凧などは細くて薄いテープを張り、
ちょうど蝉が鳴いているようにミーンミーンと唸ります。
海外ではマレーシアなど主にアジアの凧にうなり付きが多く見られます。


   

                            土岐鴾幹作

     『雲龍』 くもんりゅうと読みます。
     凧の頭に付いている 長い棒のようなものが 「うなり」 です。

          この凧の大きさ
          2 m x 1.2 m
          糸目の長さ45 m 17本

   

                           土岐鴾幹作



   江戸角凧 『墨龍』                                   土岐鴾幹作

          この凧の大きさ
          八尺(縦2.4m × 1.48m)
          糸目の長さ 45m 17本

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